2006年10月10日

ピアノの寿命

■ピアノの寿命

「ピアノは一生ものですよ」
ピアノの販売店に行くと良くというか必ず営業をかけられちゃうセリフですよね('';
でも、いったいぜんたいピアノの寿命ってどれくらいなのでしょうか?
200年?100年?
100年使えるとかは良く聞くような気がします。
でも、100年どころか50年前のピアノってどれだけ残っているのでしょうか?
しかも、ただ残っているだけでなくて、現役できちんと使えるものは?

事実は、現役で使えているピアノで50年以上前のものはほとんどありません。
グランドピアノならまだしも、アップライトでは・・・1%あるのでしょうか?
少なくとも、わたしの知っている10人前後の(少なくてすいません('';)調律師さんで50年以上前のアップライトを現役バリバリで使っている方はほぼいないといっても差し支えないようです。
50年前と言えば1956年なので確かにまだまだ普及はしていないのですが、60年代になるとばりばり増えているのでそのころはピアノがあまり作られていなかったというのは言い訳にすぎません。

では、なぜそれほどもつ訳ではないのでしょうか?

答えは響板とフレームにあります。
響板はピアノの生命線なのでここがへたってくるとまともに音が出ません。
また、その響板を支えているのがフレームなのでここもへたってしまうと結果的に響板が支えられないので終わりと言うわけです。

「そこも直せるので一生ものですよ」
はい、ピアノ屋さんはそう言いますね。売りたいですから(笑
確かに今の技術なら解体修理をして直すのも可能です。
でも、響板の再生となると反りを復活させるところからはじめなければならないので新品2台買えちゃう再生料がかかるんです。

また、なぜ響板がへたってしまうかというと、
まず、響板は内側に向かって反っているんです。この反りがなくなって平らになってくると弦の振動を捉えきれないので、音が弱くなってしまうんです。
もちろん木は自然の状態に戻ろうという力が働いているのでじょじょに反りがなくなっていきます。

そして、なんといっても弦の圧力が強い!
1本約90kgで張られている弦が230本前後あるのでピアノは垂直方向に約20トンもの力がかかっているんです。それが響板を押さえつけているので、響板の方向へも約4〜5トンの力が常にかかり続けています。
4〜5トンの物体を常に同じ所にかかり続けていたら… マンションならまだしも戸建の家にこの物体が載りつづけている事を考えれば答えはお分かりだと思います。

この力はピアノだとどれが支えているかと言うとフレームなんです。解体をしたことがある方ならわかるかもなのですが、張力が比較的少ないグランドピアノでさえ50年落ちていたらフレームのねじ穴がびろんと伸びちゃっているのに気づくと思います。

直すことは可能でもどれだけの予算がかかるかわかりませんし、時間と手間を考えたら新品を買ったほうがお得なんですね。だからそこまでやっているのは中古でも数百万円のスタインウェイなどしかやりません。だから実質的な寿命と言うのはバイオリンなどとはかなり違ってくるんです。


寿命があると言うことを前提とすれば、中古ピアノの実態が見えてくるかと思います。

なぜ、古くなれば値段が安くなるのか?
原価償却しない製品なら、いくら古くなろうが価値は変わらないのに古いほうが安い。
当たり前です。寿命が近いんですから…

ピアノは古いほうがいい材料を使っている。
でも、なぜか年代が新しいほうがいいですよ。中古ピアノ屋さんは言います。
これも当たり前です。寿命があるから経年が新しいものが価値が高いのですから。

そもそも、特に有名メーカーのヤマハ・カワイは約35年前から今とほぼ同じ材料です。(一部の掲示板で騒がれているプラスチックや木屑で作られているのは量産化している70年代から変わりません。)でも、なぜか、それより以前の中古ピアノが良いとは言わないんですね。それは、高く売れないからです。

だから80年代70年代の中古ピアノを新品の3分の2の値段で売る。
これは本当に「おいしい」んですね。だって、買取のときは寿命がかなり近くなってるのでタダみたいな値段で引き取れるんですから。
それを「自社工房」で「信頼の修理」だけで利益率80%。この商売知ったら、みんな言います。「ピアノは中古のほうが良いですよ、ピアノは直していけば一生使えますよ。」

ちょっとえぐい内容ですが、おいしいものには…という内容でした。
ラベル:ピアノ
posted by 神奈川在住ピアノウィメン at 00:22| Comment(22) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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